新卒一括採用について

「内定、解禁前に4割超え-就活ルールに限界 経団連企業も水面下で」
「就活戦線 二極化進む-6月内定率65%、乗り遅れ組も 」

日経を読んでいるとこの時期、新卒一括採用の記事を頻繁に目にします。当社は、中途採用のための職業紹介事業者なので、直接的には関係はありません。なぜ新卒採用が対象外なのか、理由としては、許可申請届出の際に新卒採用を除外するよう、行政から要望が出されているからです。

「学校卒業見込者等の適職選択の観点から、若者雇用促進法第11条に基づき公共職業安定所が不受理とすることができる求人者からの学校卒業見込者等求人は取り扱わないよう、職業安定法第29条第3項、第32条の12第1項(同法第33条第4項及び第33条の3第2項において準用する場合を含む)又は第33条の2第5項に規定する職業紹介事業の取扱職種の範囲等の届出を行うことが望ましい。」とされています。

脱線したので、新卒採用に戻りましょう。この新卒一括採用の仕組みが、そろそろ破綻しているのに、何で求職者側の学生は活動に走るのでしょうか。採用する企業側も、出口である終身雇用の形骸化が一段と進んでいるのであれば、入口の新卒採用もそろそろ通年採用でいいのではないかと思ってしまいます。学生側も乗り遅れた感もないですし、相対的に友人や付近の学生と比較する必要もなく、焦らないで済みますし。日系より外資系企業での経歴が長くなってしまって、更に起業してしまった当職としては、そういう無意味な経団連の採用ルールや、一括採用で就職する・採用する、という思考自体から学生側も企業側も脱却したほうがいいのでは、と思ってしまいます。

「若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書) 城 繁幸 (著)」こちらの書籍は2006年に発刊されていますので、既に10年以上経過しています。現在は、更に学生の志向も取り巻く環境も変化しているのかと思います。しかし、新卒一括採用の傾向はあまり変わりません。仮に、若者は3年で辞めるという前提であれば、中途採用にフォーカスしたほうがよっぽど効率的なのかなあと思います。

ある外資系金融コングロマリットの人事の方は「非効率だと理解していても、ブランディングのためにキャンパス・リクルーティングをしているよ。わずか数名のための新卒採用にどれだけ時間とコストかけるのですかね。中途採用のほうも忙しいのに。」と不平を述べていました。

新卒採用に限って言えば、インターンのほうが効率的だと思っている人事関係者(当職含む)が多いのではないでしょうか。下記のリンクが、概ね良くまとまっていると思います。一部同意できない部分はありますが。
藤沢数希氏 - インターンシップが最強の採用戦略なのか?
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52057381.html

昔の書籍・記事でしたので、こんな視点もあったなあと思い出しながら、若手のキャリア形成を支援していくためにはということを当社コンサルタント一同、議論しながら日々淡々と職業紹介事業に励んでいます。

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